久保遺跡

1.所在地:北杜市長坂町中丸地内
2.調査期間:令和4年3月~4月
3.調査面積:750㎡
4.調査概要:
 久保遺跡(くぼいせき)は、八ヶ岳南麓のほぼ中央、大深沢川左岸の台地上に立地しています。今回の調査区は台地の縁辺部にあたります。

図1 調査区遠景(南西から) 青色範囲:調査区

1)発見された遺構・遺物

図2 調査区前景(真上から)

 調査の結果、調査区東側に縄文時代の竪穴住居跡4軒が発見されました。いずれの住居も縄文時代中期の曽利Ⅳ式期もので、4本の柱を持ち、中央に石囲炉が設けられていました。

1号竪穴住居跡

図3 1号竪穴住居跡(遺物出土状況)

 1号竪穴住居跡からは、曽利Ⅳ式期を主体とする土器や石器が多量に出土(図3)しました。

図4 1号竪穴住居跡

 住居の入口部分に埋甕が見つかりました。

 1号竪穴住居跡からは、両腕と右足が欠損するものの全身の形が残る土偶(図5・6)が見つかりました。

2号竪穴住居跡

図7 2号竪穴住居跡

3号竪穴住居跡

図8 3号竪穴住居跡

 発見された竪穴住居跡は、調査区東側に集中しており、そこから北東側に続く平坦地に集落が広がっていることが推定されます。